+注+
こちらは厳重注意作品です。マニアックな要素を含みます。
極端に要約した内容としましては、
「4D3Dでお漏らしネタ、そしてハロウィン」
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管理人は一切責任を負いません。
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酔いどれ(――そんな、深く考え込むな)
「なー、おっさん」
無造作な呼び掛けに、ダンテはしかし眉を顰めることもなく「あん?」とこちらも無造作に
応じる。互いに名では呼び合わないため、彼におっさん呼ばわるされることにはさしたる抵抗も
ないダンテだ。
ちなみにダンテは彼のことを坊やと呼ぶ。餓鬼扱いするなと文句を言ったのは知り合いの青年と
同じだが、すぐに慣れて気にしなくなったところは違っている。まぁそれもそうで、他に呼び
ようもないのだから文句を言ったところで仕様がないというものだ。
まさか、同じ名の男が二人、こんな関係に落ち着くとは誰も思うまい。当人らですらそうなの
だから、他人などには理解はもちろん納得など到底できぬ話であろう。
「どうした、坊や。もうギブアップか?」
にやりと笑ってそう言えば、ほんのりと頬を朱に染めた彼が唇を尖らせた。
「まら全然余裕らっての!」
舌が回っていないことに、彼は間違いなく気付いていない。ふんと鼻を鳴らし、ダンテが
ちびちびやっていたグラスを横からかっさらい、ぐいっと一気に飲み干してしまう。中身は、
ウォッカだ。止める間がなかったわけではないダンテは、にやにやしながら彼の飲みっぷりを
眺めた。どうなっても知らないと、もうすでに匙を投げているダンテである。今さら彼が
飲み過ぎたくらいでは、グラスを取り上げる気にもならなかったというわけだ。諦観よりは
むしろ、限界を超えて飲みまくった結果、どうなるかを見たいと思っている。
「ふえ……」
意味不明な呟きとともに、彼がグラスをテーブルに置く。今夜は無礼講だと、意味が判っている
のかいないのか、声高に宣言したのは彼だった。その宣言どおり、彼は遠慮も配慮も一切無用と
ばかりに飲みまくって現状至っているわけだ。
なぜかは忘れたが立ち上がって(そして意味不明な動きをして)いた彼の足が、不意にふらつき
バランスを崩す。それはそうだろうと思いながら、ダンテは彼の手首を掴み引き寄せ、腰を抱く
恰好で膝の上に座らせた。無論、すとん、などという軽さではない。どすりと重い衝撃が腿に
響くが、その程度で痛みを覚えるほどか弱くはないことが幸いした。もっとも、痛いからといって
彼が転ぶのを眺めていられるほど、ダンテは薄情ではないが。
「おいおい、大丈夫か、坊や」
頬をぺちぺちとしてやると、彼はむっとしたらしくダンテの肩を掴んで躰を離し、睨んできた。
「らいじょぉぶらって!」
いや、まったく大丈夫には見えないし聞こえないのだが。思いはしても口には出さない。彼よりも
はるかに長く生きているダンテは、何でもかんでも思ったことを口に出すということはしない。
言うべきことと言わぬべきことはきちんとわきまえている。
「なら良いけどな」
腰に回した手でぽんぽんと尻を叩く。何がおもしろいのか、彼が声を上げて笑った。くすぐったい
のかもしれないが、嫌がる素振りがないのでよく判らない。ダンテは内心で肩を竦め、彼の尻を
何度か叩いた。彼は嬉しそうにくすくす笑う。
「えへへー、おっさん、遊べー。なぁって、遊べよ、おっさーん」
自分から離れたくせに、今度はぎゅうっと抱き付いてくる彼へ、ダンテはおざなりな返事を
する。
「はいはい、」
酔っ払いはたちが悪い。酒は飲むが飲まれることのないダンテはため息を吐きながら、彼の背中に
腕を回した。片手で、彼の頭を撫でてやる。髪をくしゃくしゃにしてやれないのは、彼が肩から
羽織ったマントに付属したフードを、目深にすっぽりとかぶっているからだ。
イベント事には疎いがお祭好きのダンテは、彼の突発的な提案を快く承諾した。
今年のハロウィンは仮装をして、思い切り酒を飲もう。もちろんお菓子もたんまり食べる。
それは基本、と言ってにへへと笑う彼は本当に少年のようで、小さな頃は毎年ハロウィンを
楽しみにしていたことを思い出して苦笑が浮かんだ。彼にとっては、それは十年ほども前のことで
しかない。そう考えると、彼はなるほど子どもであるに違いなかった。
悪魔だと彼が言うところの仮装は、黒の上下を着込みその上からこれまた黒いフード付きの
マントを羽織るだけの簡単なものだ。ただしフードにはバッファローか何かを思わせる角が
二本くっついており、マントの背中には蝙蝠のそれであろう黒い翼が一対生えている。半魔が
悪魔のコスチュームを身に着けはしゃぐさまはある意味シュールだが、ダンテは可愛いものだと
笑って彼の背中の翼を引っ張ったりした。
ついでに加えれば、彼が下に穿いたパンツの、
尻と腰の中ほどからはひょろりと細長い尻尾が伸びている。先端が二等辺三角形に似たふうに
なっていて、そのしっかりとした感触から意外に凝った作りであることが判る。
ちなみに、ダンテはハロウィンにちなんだコスチュームは着ていない。自分は役割で言えば、
扮装した子どもに菓子を与える大人だ。年齢からいっても逆は有り得ないし、両方が扮装をしては
ハロウィンの意味がなくなるだろう。これは子どもの祭りだ。思う存分遊ばせてやらねば大人げが
ない。
「おっさーん、おっさーん」
酔っ払い甚だしい彼が、歌うように節をつけてダンテを連呼し、その都度頬に唇にキスを仕掛けて
くる。鳥が餌を啄むようにつんつんと唇を寄せられて、平常心でいられるほどダンテは枯れては
いない。むしろ男盛りと呼ばれる年齢にあたるのだ。目の前にある据膳――しかも酔った彼は
ひどく絡み上戸になる――をさらりと無視できるわけがなかった。
「お前が悪いんだぜ、坊や……」
尻尾の生えた尻を撫で上げ、彼が唇を寄せてきたタイミングでこちらから唇を吸ってやる。下唇を
甘噛みすれば、彼はぞくぞくと背中を震わせた。その動きに合わせて、一対の翼がはためいたかも
しれない。何とも、かわいらしい悪魔だ。
「んぅ、ふ、ん……っ」
自分からするのとはまったく似ても似つかぬ深いキスに、彼は困ったように眉を寄せて吐息を
もらす。ダンテの肩を掴む手は心なしか震えていて、それが男をより煽るのだとは気付いて
いない様子である。
角度を変えて彼の唇を貪り、搦めた舌をきつく吸う。飲み下せなかった唾液が顎に伝った。
ダンテは一時的に唇を離し、こぼれた唾液を舌で追う。顎の先端から丁寧に舐め上げると、
それだけで彼はぶるりと躰を震わせる。実に良い反応だ。ダンテは笑み、再度彼の、しっとりと
淫靡に濡れた唇を味わおうとした。が、
「っや、待って……!」
ダンテのキスに蕩けたようになっていた彼が、にわかに制止を求めたのだから訝るのは当然だ。
なぜかと問うこともせず、無理矢理唇を重ねようとすると、彼は慌てて首を振った。だめ、やだ、
そう繰り返してあまりにも激しく首を振りすぎたために、目が回ったらしくふらふらになって
いる。いったい、なんだというのか。
「坊や?」
「っもう無理! トイレ……!」
押し殺した叫びにダンテはぽかんとしてしまう。太い精神の持ち主であるダンテを呆気に取らせた
希有の存在は、ふらふらと覚束ぬ足を懸命に動かしてダンテの膝から下り、やはり危うい足取りで
リビングを出て行った。よほど限界であったのか、開け放したままのドアを見つめ、ダンテは
自分が介助してやったほうが良かったのだろうかと、ため息を吐いた。
漏れる。ダンテの頭の中はその言葉でいっぱいだった。嫌なことこの上ないが、ぎりぎりになる
まで尿意に気付かなかったのだから仕様がない。男に抱き付き、キスをするのに夢中だったのだ。
途中からは、男からのお返しのキスにとろとろにさせられていたけれども。
トイレを済ませたら、またさっきの続きをしてもらおう。
恥ずかしさなど微塵も感じず、そうと決めたダンテの足は一刻も早くとバスルームへ向かう。
これが酒の作用かと、男がいれば思ったことだろう。性慾は人並みにあるし、快楽にはとことん
弱いダンテであるが、自分から性的な行為を仕掛けることはもちろん、それを催促することすら
めったにないのだから。
酒によって絡み上戸になるという実態を、幸か不幸かダンテ本人はまったく知らずにいる。
ダンテの住まうこの家は、珍しく風呂とトイレが別々になったタイプの家だ。ふつうは同じ空間に
浴槽と便器があり、風呂を使う際はカーテンで間仕切りをするというものだが、ダンテの家では
その必要がまったくない。面倒とは思うが、立地面で気に入っているので細かいことは気にしない
ことにしているダンテだ。そもそも、小さなことにいちいち気を留めるたちでもない。
「んー……」
鼻歌にもならぬ何かを鼻先に乗せ、便座を持ち上げてさっそく用を足そうとパンツの留め具を外す。
いつものようにジッパーを下ろして下着の下から自分のものを取り出すのだが、ここで思わぬ
ことが発生した。
「……あえ?」
まだ酒の作用で舌が回りきっていない。いや、それは置く。それは良いのだ。問題はダンテの
手許にあって口にはない。
「え、ちょっ……、マジ?」
下着か、パンツの中に突っ込んだ上衣か、判らないが何かがジッパーに噛んでしまって、てこでも
動かない。もっと力を込めれば開くかもしれないが、ジッパーが壊れてしまう可能性が高い。
そうなるとつまり、このパンツの寿命もそれまでとなるわけだ。
「ちょ、うそだろ! このっ……!」
ぐっぐっとジッパーの金具を下へやろうとするが、ダンテが奮闘すればするほど、嘲笑うかの
ように布がいっそう噛んでびくともしてくれない。ダンテは焦った。焦らぬわけがなかった。
「や、な、んで……っ」
膀胱は判りやすく限界だ。あまりに焦ったダンテは、自分ではどうにもならぬと乱れた恰好のまま
踵を返し、バスルームから飛び出した。あまり激しく動いては拙いことになりそうで、若干内股
気味になってしまっているが。
開け放されたリビングのドアに辿り着いたダンテは、悲愴そのものの表情で男を見るなり、哀れ
すら覚える声で呼ばわった。
「おっさぁん……!」
たすけて。もう無理。そう喚きながら駆け寄ってくる(内股気味であるのはなぜなのか、気に
なったが答えはすぐに判った)彼を、ダンテは「はぁ?」と間の抜けた顔で迎えた。用足しに
バスルームへ走った彼が、今度は泣きそうになりながら自分に助けを求めてくるとは、いったい
何ごとであるのか。首をかしげたダンテに、彼はよろよろと縋りつき自分の股を指差した。
見れば中途半端にジッパーが開いている。意味が判らない。
「? 何だ?」
訝り首をかしげると、彼は立っていれば地団駄を踏んでいただろうふうに、怒りもあらわに
怒鳴った。
「これ! 開かねぇんだよ!」
早く何とかしてくれと、喚き散らす彼の双眸には涙すら浮かんでいる。ダンテはつられるように
焦ってジッパーに手をかけた。ぎちっと嫌な音がする。布が挟まったか何かしているようで、
がっちり噛んでしまって微動だにしない。
「これは……」
駄目だとは迂闊に言えない。彼が今にも泣きそうであるからだ。リビングから出ていったときで
すら限界を感じていたようだったのだ。一刻も猶予はない。早く何とかしてやらねば――
「破いちまうってのは……」
ダンテとしては妥当な提案に、しかし彼はショックを受けたらしく目を瞠った。よほどこの衣装が
気に入ってしまったようだ。ジッパーが壊れるのを覚悟で強行手段に出ることも、彼は良しと
しないに違いない。
(面倒だな)
舌打ちしたいのを堪え、早く早くとどんどん早口になっていく彼の股に齧り付くようにして、
ジッパーと格闘する。面倒だと心底思いながらも、結局は彼の要望を汲んでしまう自分が、
情けないやらおかしいやら。
「はやく、早くおっさん! もう限界なんだって……!」
知ってるよ、とダンテは唇だけで呟いた。よく判っている。お前が限界いっぱいだということは、
自分のことでもないというのによぅく知っている。だから。
「もうちょっとだから、じっとしてな」
我慢できないとばかりに、彼は尻をもぞもぞと忙しなく揺らめかせているのだ。気持ちは判るが、
そう動かれてはジッパーを引き下ろすこともままならない。ダンテが眉をしかめてたしなめると、
彼は「だって、」と潤んだ瞳でこちらを睨む。
「もう、もる……!」
それは嫌だと。当たり前のことを訴える彼だが、ダンテはもう少しだから辛抱しろと言って宥める
しかない。ジッパーとはかなりの努力を傾けて格闘しているが、どんな凶悪な悪魔ですらこれほど
ダンテを苦しめたことはない。恐るべしジッパー。しかしそれを口にすれば、ふざけてないで早く
しろと彼が怒るのは目に見えているので、内心でのみ自嘲する。
(くそっ、動かねぇ)
やはり強行手段しかないか。彼は悲しむだろうが、どうあってもジッパーが下がらないのだから
仕様がない。甘んじて彼の怒りを受け止める覚悟を決め、よしと気合いを入る。が、しかし。
その決意はあまりに遅すぎた。
「、や……あ、ぁっ……っ!」
ふるっと、彼の腰から震えが全身へ伝わる。そして股間は――無論、ダンテの手すらも濡らして
いる。
しばしの沈黙。ダンテはジッパーの金具を摘んだまま、彼の、いっそ恍惚とすら表現できるほどに
惚けた表情をじっと見つめた。気持ちが良いのだろう。我慢に我慢を重ねた後の解放だ。
ダンテにもそれはよく判る。
だからかどうかは判然としないが、自分の手が汚れていることはまったく気にならなかった。
彼のうっとりとした表情を、つぶさに見ておきたいというのもあったかもしれない。
最後にもう一度腰を震わせ、彼がはぁと息を吐いた。どうやらすべて出し切ってしまったようだ。
まぁ、途中で止めるなどできる話ではなかっただろうが。
はふ、と、吐息。射精した後のようだとの感想をダンテが抱いていると、彼が突然、ひゅっと喉を
鳴らして息を飲んだ。顔は、蒼白。
(まずい、)
ダンテが思ったときには、彼の瞳からは大粒の涙が次から次へとこぼれ落ちていた。内心、額を
押さえる。
「坊や、あのな……」
声をかけると、彼はびくっと激しく肩を跳ね上げた。見開いた双眸、垂れた眉尻が捨てられた
子犬のようで、哀れを誘う。
言葉も出ないほどショックだったのだろう。ただ打ち震えて泣くばかりの彼の、しとどに濡れた
股からようよう手を離し、彼の背へと回そうとした。が、彼はいやいやをするように首を左右にし、
肩を揺すってダンテの腕を拒む。濡れた碧玉は、ダンテの手を映していた。彼が不本意にも汚して
しまった、手を。
「あー……これなら気にすんな。どってことねぇよ」
実際、そうだ。ダンテは笑って見せたが、彼は納得いかぬらしく(当然といえば当然か)
ふるふると視線は外さぬまま首を振る。
「……ご、め……」
かすれた声音で彼が繰り返す。ごめんなさい。それはダンテの怒りを恐れての謝罪というよりも、
何か他のことをおそれているふうにダンテには感じられた。
「坊や、」
呼ばわり、大丈夫だからと囁いて彼の背へ腕を回す。大丈夫だ。こんなことで、お前を突き
放したりしない。だから、な? 怯えながらも、彼はダンテの腕の中に納まった。ひっく、と
我慢できずにこぼれてしまったらしい嗚咽が、胸を衝く。
「、とに……」
「うん?」
「ほんとに、おこって、ない……?」
幼い子どものような舌足らずな言葉に、ダンテは苦笑する。怒ってなどいるものか。これは、
大半はダンテのせいで引き起こされた事態なのだ。彼を叱るなど、まして彼を嫌うなど有り
得ない。
「当然だろ。こんなもん、かわいい悪戯みたいなもんさ」
だからもう泣きやめと、さすがに髪を梳いてやるわけにはいかぬので、代わりに少し赤みの戻って
きたらしいうなじにキスをした。ひくっと、彼の産毛が震える。
「んっ……」
かわいらしい反応に頬がにやける。彼には見せられない顔だと自覚しつつ、さて、と一つ自分の
中で区切りをつけた。
「じゃあ、坊や。落ち着いたとこで、ちょっと提案なんだがな」
「……?」
抱き締めたままなので彼がどんな表情をしているのかは判らないが、軽い恐慌状態からは脱した
ことは間違いないだろう。ひとまず、安心だ。
「このままってのも何だ、風呂でも入らねぇか?」
もちろん、一緒にな。
囁いた視界の端で捉えた彼の耳は、ほんのりと朱に染まっていて。
ダンテはにやりと笑った。
リクエスト第2弾、43でした。
かなりの勢いで続く予定で書いたのですが、長くなってしまったので切りました。
でもまだ続き書き出してもいませんすみません…っ!!
ひとまずこれで、よろしければいたんへ様のみお納めください。
[08/10/24]