+注+

こちらは厳重注意作品です。マニアックな要素を含みます。
極端に要約した内容としましては、

「4D3Dでお漏らしネタ」

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意地イジ












慣れた重みを腕に、目の前の黒い影を両断する。耳障りな断末魔の叫び。それに耳を傾けること なく、次の獲物へと踊るように剣を振り下ろす。また一つ断末魔が上がり、しかし彼の頬には いつものような笑みは浮かんでいなかった。代わりに、どこかしら焦りに似たものがその横顔には ある。
事実、彼は大いに焦っていた。早く周囲の影どもを蹴散らさねばならないというのに、こんな ときに限って次から次へそれらが沸いて出るのだ。肩透かしを食らうことが多いのだが、今日は どうにもきりがない。

彼が愛用の剣を振り回して斬り刻んでいるのは、悪魔といういわゆるうさん臭い存在だ。彼は 悪魔を狩ることを生業としている。便利屋業は副業のようなもの、だろうか。うさん臭い場所に いれば、悪魔関連の仕事を仕入れやすい。その為の便利屋である。

「ッはぁ……何なんだよ、ったく」

あまりの数に、彼は焦れて悪態を吐いた。まったく、きりがない。斬っても斬っても、全く数が 減っていかないのだ。それどころか、殖えてすらいるような気がしてならず、彼は舌打ちせずには おれなかった。

「何なんだよ……!」

押し殺した声になるのは、下手に大声を出すと拙いことになる部分を抱えているからだ。だから 早く悪魔どもを始末して、と思って奮闘しているのだけれど、場の空気を読めぬ悪魔どもに 邪魔され続けているのだった。
この状態でなければ、間違いなく大歓迎したであろう大群を相手に、彼は今、恨みしか募らせる ことが出来ずにいる。

程々にしとけよ。

まったくの子ども扱いと取れる小言に近い忠告を、鼻で笑って無視したことが今になって 悔やまれる。まさかこんなことになるとは、思ってもみなかったのだから。







毎日そうであるように、この日も陽が高くなってもうだうだと眠っていた彼が、しっかり目を 覚ましたのは時計の針が午後一時を指すほんの手前のことだった。
目覚めて暑さを認識してしまえば、もはや二度寝など出来るわけもなく、湿度の高さに舌打ち しながらおざなりに服を着替えた。薄手の半袖シャツと穿き古したジーンズ。下だけ穿いて、 シャツは手に持ったまま部屋を出た。リビングはクーラーが効いているに違いないとの、期待に 胸を膨らませながら。
思ったとおり、リビングにはクーラーが効いておりよく冷えていた。寝起きに滲んだ汗が一斉に 引いていく。この感覚が何とも言えず好きな彼は、はふ、と満足げなため息をもらして次なる 欲求を満たすべくキッチンへ向かった。リビングと続きになったキッチンも、程よく涼しい。 上機嫌で冷蔵庫を開け、目当てのものを取り出す彼は無意識に鼻歌など口ずさんでいた。

「何か、音外れてねぇか?」

そんなツッコミはきれいさっぱり無視をして、取り出したばかりのミネラルウォーターの キャップをかりかりと開けた。ボトルを傾け、一気に喉に流し込む。よく冷えたそれが食道を 通り胃へ落ちるのが判る。気持ちが良い。ふあ、と意味のないため息をもらしならが、500mlの ペットボトルをあっという間に空にしてしまう。最後の一滴まで飲み干して、ごみ箱に放って また冷蔵庫を開けた。今度はミネラルウォーターではない。彼の好物の一つであるトマト ジュースの缶だ。

「飲み過ぎだろ」

そんな声は無視に限る。だってあんたがコーヒーを淹れてくれないから、とは言わない。言えば どこかしらに亀裂が走ると、彼は勝手に思い込んでいた。

男が狭そうに寝転ぶソファーとローテーブルとの間に、彼はいつものように腰を下ろした。手には もちろん、先程冷蔵庫から出したばかりのトマトジュースの缶がある。プルトップをかしっと 引き上げて、一口、飲む。まったりとした甘酸っぱい味わいに、彼は仕合わせそうな笑みを 浮かべた。

「好きだな、よくよく」

呆れたような呟きをやはり無視して、ごくりとトマトジュースで喉を潤す。至福の時だ。これを 毎日続けるにはトマトジュースを欠かさず補充しておかねばならず、定期的にスーパーマーケット へ行くのを怠ってはいけない。その面倒を自分でせねばならないことを除けば、彼は毎日仕合わせ であった。

この、背後でだらしなく寝そべる男との生活にも、幸か不幸かもう慣れた。揶揄われることには 相変わらず反撥を覚えるが、彼が男を追い出したことはないし、結局誰かとともにいるという 安息感のほうが勝っているのだった。
それに男は、ただの居候ではない。仕事はする。今日も夕方頃には二人で仕事に出掛ける 予定だ。
稼ぎ手が二人に増えて、生活が楽になったかといえばそうではないから、彼は首をかしげるの だけれども。まぁそれは、彼も男も家計を気にするということがなく、欲しいものはどんなに 値が張ろうと購入するという悪癖があるからに違いない。少し前までは、きちんと家計を預かる ものがいたのだけれど、今や文字どおりの野放図だ。金などどこを逆さに振っても落ちては 来ない。

ごくごくと、早々トマトジュースも飲み干して、昼飯をどうしたものかつと考える。デリバリーの ピザか。それには背後の男も不服はないだろう。三食ピザでも文句を言わなかったことがある くらいだ、昨日一昨日からピザ続きであっても大丈夫に違いない。問題があるとすれば、やはり 金だ。
今日の依頼、その報酬は二万ドル。前金は三千と、ややけちな印象を彼は受けた。しかし依頼 内容には第六感が働くものがあり、報酬額に文句は一切つけなかった。ちなみにその前金は、 ほとんどが酒と衣服類に消えている。アクセサリーも買った。報酬そのものは依頼を達成せねば 彼らの手許には入らず、その間は食費も切り詰めねばならない。

彼は空き缶の飲み口をがじがじと囓った。行儀が悪いとの小言はない。彼はまさしく好きにやって いる。ソファーに寝そべったままの男もまた、そうだ。

「なぁ、おっさん」

呼ばわれば、鈍い応えが肩越しに届く。

「あぁ?」

不機嫌なそれにも聞こえる声の、柄の悪さに彼はおやと思った。眠いのだろうか。まぁ、自分には さして関係ないことであるが。

「昼飯さ、どうしよっか?」

ごそりと気配が動く。男が躰を起こしたらしい。ひどくものぐさなところのある男は、非常に “らしい”せりふを投げやりに寄越した。

「あー……べつに喰わなくても良いんじゃねぇ?」

この男はいったいどんな食生活をしていたのだろうか。人のことは全く言える立場ではない彼が 思う程度には、男の日常はかなり自堕落だ。
彼は肩を竦め、腰を上げた。キッチンのどこかの棚に、オートミールを仕舞い込んであることを 思い出したのだ。男は食べないという。自分一人の分だけなら、わざわざデリバリーを頼むのも 面倒だ。彼も負けず劣らずものぐさである。
立ち上がろうとした彼であったが、不意に肩を掴まれかくんと
膝が笑ってしまった。犯人は 無論、男だ。
銀髪碧眼。端整さよりも精悍さが色濃くあらわれたおもてには、たいてい人の悪い笑みがある。 今も、そうだ。拙いと思った瞬間には、彼は既に男の膝に座っていた。間近に、にやにや笑う男の 顔。

「なんだよ」

刺々しく言えば、男は笑みを深くして彼の脇腹を撫で上げる。思わず声が出そうになったが、 唇を噛むことでどうにか堪えた。くつりと笑う声が恨めしい。

「何、なんて訊くまでもねぇだろ」

なぁ? と唇に啄むだけの軽いキス。いつものことだが、この男は何故こうも時と場合を選ばず 発情するのか、彼は不思議でならない。彼にももちろん性欲はある。あるが、こんな真っ昼間から ことに及ぶ程飢えてはいない。その筈だ。それなのにこの男ときたら。

「嫌、か? んなわけねぇだろ?」

彼の唇を啄み、時折舌でなぞりながら囁く。意地の悪い言葉に彼は自棄になって言い放った。

「加減、しなきゃ二度としねぇ」

一瞬の間。そして、

「了解。努力はしてやるさ」

なんだよそれ、とは言わせてもらえなかった。深く唇が重ねられ、脇腹から胸、そして下腹を まさぐられて、次第に思考が朦朧とし始める。これもいつものことだが、男は彼を翻弄する手管に 長けている。何故かは、知らない。いいようにされてしまう自身が、少し情けなくあるだけだ。



結局、昼飯は食べそびれた。男が彼を解放したのは午後四時頃。それからシャワーを浴び (不本意にも男に躰を洗われてしまった。腰がしゃんとしなかったからだが)、身繕いを整える 頃には午後五時になろうとしていた。
仕事を放棄することは、今回に限っては考えられなかった。彼は酷使した喉を潤す為に、水を 浴びる程に飲みまくった。500mlのペットボトルを二本半と、それからトマトジュースを 三本。こちらは空腹への一時的な措置だ。オートミールを食べれば良かったのだが、探す手間を 厭ってトマトジュースに頼る方法を採ったのだ。
そんなに飲んでどうするんだ、と。男はやや呆れて言ったが彼は気にしなかった。喉の渇き。 その原因のほとんどが男にあるのだ。程々にしとけ、という言葉も無視だ。聞いてなどやる ものかと、彼はわけの判らぬ意地を張った。

ペットボトルに半分残った水を飲み干そうとすると、男が今度はにやりとして彼に言った。

「飲みたきゃ好きにすれば良いが、出すのを忘れんなよ。外でお漏らししちまっても、俺は 知らねぇからな」

「でけぇお世話だ、エロおやじ」

「言ってろ。そろそろ行くぜ。時間だろ」

言われて、彼は慌ててブーツを履いた。銃をホルスターに、剣を背に負いばたばたと男のあとを 追う。このとき彼は、重要なことをすっかり忘れている事実にまるで気付かなかった。






(くそッ……)

悪態は自分自身へ。彼は悪魔の振り下ろした鎌状のものをするりと避け、いつもの調子が出ない 自身へ苛立ちを募らせた。早く片付けねばならないというのに、悪魔の数は未だ半数を残して いる。気になることがただ一つだけあり、それが枷として働いているのだ。枷は徐々に大きく なっていく。

「っ、く……!」

彼の喉を呻きに似た声がつく。悪魔の激しい攻勢に対してでは、けしてない。前述の“枷”だ。 それにより、彼は必要最低限の動きしか出来ない状態に陥っていた。
くそ、ともう一度悪態を吐く。銃が伝えるいつもの振動にすら、つらさを感じる。早く。早く。 ひたすら我慢し、素早く銃を乱射した。断末魔の叫びを量産する。とにかく、彼は焦っていた。

いつもの倍近くも時間をかけて、彼は周囲を一掃した。ようやく、という感が強い。実際その とおりで、彼は今自分が一人であることにもほっとした。連れの男とは途中から別行動を取って いた。それがこんなにも有り難いと思うとは、不思議なものだ。

息を吐く。辺りを見回し、どこか適所はないかと物色した。何に適した場所かと言えば、用足しで ある。家を出る間際に飲んだものが、今彼の膀胱を有り得ぬ程に圧迫しているのだ。トイレを 探している暇はない。どこか手近なところで済ませねば、どうにもならぬ程度に逼迫していた。
薄汚れたアスファルトの一角を見定めた彼は、しかしそちらへ寄ることが出来なかった。 背後から、終わったか、と低い声がかけられたのだ。

「えらく手間取ってたじゃねぇか。なまったか?」

固まる彼を余所に、すっかり仕事を終えていたらしい男は気軽に彼の肩を叩いた。それが引き金、 というわけでは、おそらくなかったのだろうけれど。

「、ぁ、う……っ」

「あ? どうし……?」

気付かれた。当たり前だ。気付かぬわけがない。彼は立ち竦んだまま、股を濡らしていた。 無論、自分の尿でだ。堪えに堪えたあとの排泄は一種快楽めいた感覚を与える。陶然とした ため息が唇からもれ、それが自分の耳に届くなり彼は現状を思い出してまたも固まった。 あまりのショックに逃げ出すことも忘れている。
男はじっと彼の股を見つめているらしい。そちらを極力見ないよう努めている彼だが、視線は 痛いくらいに感じていたたまれない。
いくら水分を摂りすぎたとはいえ、漏らしてしまうなんてどうかしている。恥ずかしすぎて憤死し そうだ。
男はきっと自分を揶揄うだろう。そうに違いない。あぁ、嫌だ。いっそ舌を噛み切って――それで 死ねたら楽だと思う。

「おい、」

びくっと、した。声をかけられただけであたかも怯えたかのような反応をしてしまったことに、 彼は恥じてきつく唇を噛む。情けない。恥ずかしい。そんなかれの頭に、男が手を乗せくしゃ くしゃにした。

「やっちまったな」

嘲笑うではなく、揶揄うふうだが根底に優しさの滲む声音で男は続けて言う。

「だから言ったろ、ちゃんと出しとけって」

くしゃ、くしゃ。髪を撫ぜる手すら優しくて、しかし彼はいっそう羞恥に駆られた。同情されて いると感じたからだ。

黙りこくる彼に、男は何を思ったか「それで、」と突然言い出した。「どうする」と。
何のことか判らぬ彼の耳に、やはりわけの判らぬ言葉が吹き込まれる。ただの世間話かの ように。

「乾くまでヤるか?」

「はぁっ?」

思わず素頓狂な声を上げ、顔も上げてしまった彼へ、男は何かおかしなことでも言ったかという ふうに首を竦めて見せる。

「そのまんまじゃ帰れねぇだろ」

それは、そうだ。しかしだからと言って。

「なんでヤらなきゃならねぇんだよ!? 冗談じゃねぇ!」

「あ? 一石二鳥の良い案だろうが」

本人は本気でそう思っているらしい。彼は自分とこの男との性格の違いをまた一つ発見した。 やはり自分たちは、同一人物ではないに違いない。
彼は息を吸い込み、男を睨みつけて思い切り怒鳴った。

「何が一石二鳥だ、ばかっ!」

絶対ヤらねぇ。ぷいっと顔を背けた彼の傍らで、男がくっくと喉で笑うのが聞こえたけれど、 彼はことさら聞こえぬふりをした。濡れた下肢は気持ちが悪いが、もう、先程までの身を 焼かれるような羞恥はない。恥ずかしさが消えることはなくとも。

(感謝なんか、してやらねぇからな)

次の仕事では、出がけに必ずトイレに行こう。そう心に誓いながら、半ば意地になって、男から 顔を背け続けた。



















戻。


二度目の43でした。攻めヨンテの性格が掴めません。
内容が走った感がありますが、いかがでしたでしょうか…?

[08/08/20]